アサヒビールでは、全社員がお客さまにできたてのビールをお届けすることを使命ととらえ、 業界に先駆けた大幅なリードタイム(製造から店頭までの時間)短縮をめざして活動してきました。立ち上がりの1993年には「製造から出荷まで10日」を実行目標としましたが、スムーズな情報インフラの整備などにより1995年には「製造から出荷まで5日」を達成。本年はさらに小売店店頭までの日数短縮に取り組んでいます。さらに現在、製造からお客様の口元までの「総合品質向上」をめざして、生産・物流・営業部門に加えてマーケティング、広報、システムなどの部門も参加。各部門であがってきた問題の改善と、新たな技術開発を推進しています。

出荷までではなく、その先の卸店・小売店、お客さまの口元までの「鮮度」を生みだすために、IT(情報技術)を使って流通在庫を統合管理するシステム導入を進めています。すでに、業界初の試みとして特約店のデータから最新の供給量を予測し、余剰在庫を削減するシステム「CRP/連続自動補充プログラム」を導入。つねに適正な在庫量、補充数量を実現しています。

コンピュータ制御による倉庫システムを導入。また、女性ひとりでも倉庫からトラックまでの積み込みがカンタンにできる自動ローダー、自動ピッキング、自動ラック、トラック誘導など各システムにより、出荷能力が大幅に向上。茨城工場では、1時間あたり約6万箱(大びん20本入り函換算)の出入荷を実現、60台の大型車両を出荷できる体制が可能に。
工場から出荷した後の時間をさらに短縮するために、アサヒビールの配送センターなどを経由せず、卸店さまに直接届ける直送比率を高めています。2002年現在、全国で90%となりました。同時に、卸店さままでのお届け時間を最短にするフルタイム出荷体制も整え、出荷当日に配送できるエリアも拡大。お届け先によって、大型車・中型・小型車も使用し、効率化をはかっています。


ビールの鮮度にとって大敵となる、輸送中の振動・温度変化・紫外線を防ぐために、配送車に「断熱仕様車」「エアサスペンション車」の導入を推進しています。また、配送時や保管時に紫外線の影響からビールを守る「アサヒクオリティシート」の機能強化を進めています。