ビール市場の大きな流れ
まずはじめに「スーパードライスタイニー」の開発が始まるまでの、ビール市場の大きな流れを簡単にたどってみましょう。
缶ビール需要の伸長
ここ10数年のビール市場の拡大を陰で支えていたのが缶ビールです。昭和62年の「スーパードライ」の登場以前は、ビール市場の4分の3を占めていたのはびんビールであり、缶ビールの流通量は全体の2割にも満たない状況でした。ところが「スーパードライ」の登場とともに缶ビールの需要は伸び続け、10年後の平成7年にはついに“びん・缶の比率”が逆転。缶ビール各種平成9年には、びん36%:缶49%(残りは業務用樽など)となり、ビール消費の主役は完全にびんから缶へと、とって代わられることになりました。
ライフスタイルの変化 缶ビールを持つ手
このように、急激に流通量を伸ばしてきた缶ビールですが、その成長の裏にはお客さまのライフスタイルの変化が密接に結びついているといえます。つまり「住宅の高層化」「女性就労率の上昇」「単身世帯の増加」といった生活環境の変化によって、「びんビールの宅配購買」は、自分が飲みたい時に店頭で商品を吟味して買う「テイクアウト型セルフ購買」へと急速に変化することになりました。必然的に、お客さまの商品選択の基準は、軽さ・持ち運びのしやすさ・省スペース・容器バリエーションの豊富さといった点が重要視されるようになり、ここに「びんから缶へ」という流れは決定的なものになったのです。
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